多部未華子 映画「君に届け」!

多部未華子の映画「君に届け」です。

見た目が暗く、“貞子”とあだ名される爽子は明るい翔太と出会い、彼女の世界は変わる。
多部未華子&三浦春馬のW主演で初めての友情と恋を描いた青春ラブストーリーです。

黒沼爽子はとても心優しい女子高校生です。
そんな彼女のモットーは「一日一善」、常に他人を思いやり他の人の為に何か出来ないか、と心から考えられる子でした。

しかし、そんな心優しさとは反対に、爽子は非常に誤解を受けやすい子でした。
その原因は彼女の外見にあります。
長めに切り添えられた前髪、腰ほどに長い真っ黒なストレートな髪型。
そして緊張しがちと言う性格からくる挙動不審な態度、そんな爽子を皆は恐れ、いつからか「貞子」というあだ名がつくようになっていました。

自分に対しては鈍感な爽子は、そんなあだ名や自分が周囲に馴染めていないといった事に対してはそれほど深刻な問題としては捉えていませんでした。
しかし、一方でもっと前向きで社交的な性格に変わる必要はある、と自らの後ろ向きな性格を反省はしています。

そんな時、爽子の前にとある男子学生が現れたのです。
その学生の名前は風早翔太、とても明るく社交的、且つイケメンという少女漫画の登場人物のような男の子でした。

常に明るく笑顔な風早は、学年の人気者でした。
常に風早の周りには人が集まっており、そんな自らとは正反対な風早の様子を見た爽子は素直に風早を尊敬します。
そして、自分も彼の様になってみようと密かに風早を心の師匠とするのでした。

そして実は、風早は風早で爽子に注目していました。
爽子は誰も知らない所で、教室の掃除をしたり、植物の世話をしたりといった行動を続けていました。
そんな爽子の行動を、風早は実は知っていたのです。
周りからは貞子と称され恐れられる爽子でしたが、風早はそんなクラスメート達の言葉に惑わされる事なく、爽子に惹かれていました。

そして、一方の爽子にも変化が訪れていました。
夏休みに開かれる事となった肝試し大会をきっかけに、爽子に千鶴とあやねという友達ができたのです。
爽子は当たり前の様にお化け役を担当していたのですが、二人はそんな爽子を怖がる事なく、ありのままに接してくれました。
初めての友達に、爽子は喜びを隠せません。

しかし、そんな爽子の幸せも長くは続きませんでした。
偶然、爽子と一緒に行動をしているせいであやねと千鶴の評価が下がってしまっている事を知ってしまったのです。
爽子は二人に迷惑をかけないように、となるべく二人から遠ざかる様にしました。

そんな突然の爽子の態度に、千鶴とあやねは戸惑います。
何があったと問いただす二人ですが、爽子は決して口を割ることはしませんでした。

そしてそんな矢先、爽子は再びあやねと千鶴の悪口を言っている女子を見かけてしまうのです。
千鶴とあやねが誰よりも優しい事を知っている爽子は、その女子生徒の発言がどうしても許せませんでした。

そして、普段は温厚で一切怒ることがない爽子が、「千鶴ちゃんとあやねちゃんに謝って!!」と大きな声をあげたのでした。

今まで見たことのない爽子の姿に、辺りは騒然とします。
そして、風早はその一部始終を見ていました。
風早は千鶴とあやねにこの事を話し、3人は再び仲を取り戻しました。
この事をきっかけに、爽子は風早を憧れの対象としてだけでなく異性としても意識をし始めます。

そもそもこの一連の噂話を始めたのは、くるみという女の子でした。
くるみは中学校の頃から風早に思いを寄せており、最近風早が爽子の事を気にかけている事を知り爽子に嫌がらせをしたのです。
その事を知った爽子でしたが、どうしてもくるみを嫌いになることが出来ませんでした。
結局、爽子はくるみを許す事にしました。

そして、とうとう風早が爽子に思いを告げたのでした。
あの事件以降風早の事を意識していた爽子は、その告白に喜びます。
しかし、爽子は風早の告白を断ってしまうのでした。
それは、風早の様な男子には自分では勿体無い、という自分への自信のなさからでした。

そんな爽子に対してアドバイスをしたのは、風早の親友で千鶴の幼馴染の龍です。
龍は、「自分を信じないということは、自分自身のことを好いてくれる、すべての人のことを、信じない。それと同じことだ」と爽子に告げます。

爽子の頭には、千鶴やあやね、そして風早という自分を信じてくれている人達の姿が浮かびました。
そして大晦日の夜、爽子は改めて風早に自分の思いを告げ、二人は晴れて結ばれるのでした。