土屋太鳳 ドラマ 4つの不思議なストーリー「冬の奇跡」!

土屋太鳳がドラマ・4つの不思議なストーリー「冬の奇跡」に出演しています。

年の瀬のある日、とある喫茶店に集まった6人。
いつものように楽しく会話をしている中で、最近それぞれが体験した不可思議なエピソードを語っていく。

望月加奈子は、料理の道へ進むことを夢見て、吉本忠文が経営する、近所の弁当屋「あじよし亭」で働いている。
しかし専門学校を卒業して5年。
現実は厳しく、このままでいいのか迷っていた。

加奈子と弟の友也を女手一つで育てた母・幸恵が他界してから2年が経った。
そんなある日、母の遺影が置いてある棚から物音がした。
この出来事を発端に、加奈子の身のまわりで不思議な出来事が立て続けに起こるようになる。
夜、加奈子が家のこたつで寝ていると、スマホが鳴った。
発信者は不明だが、加奈子は亡くなった母からのメッセージなのではないかと考える。

生前の母は厳しいところがあり、加奈子はうとましく思っていた。
専門学校卒業後すぐ、レストランで見習いとして働いていたが、激務のため辞めて3年。
母は夢見る娘を心配てきたが、加奈子は反発、そのわだかまりが解けないまま、母・幸恵は他界してしまった。

昼間、弁当屋の休憩中、またスマホが鳴った。
あの日も、母から電話がきた。
弁当屋の仕事で忙しく、電話に出れなかった。
休憩に入ったときにも母から電話があったが加奈子は出なかった。
その日の夜に母は事故で亡くなった。

家に、また物音がした。
加奈子は部屋を探してみると、大学のパンフレットを見つけて、本当は弟が進学したいのではないかと考え始める。
弟に進学してほしいと告げるとが、料理人の夢をあきらめることを弟は許さない。

弟がバイクで出かけるのにカギを忘れたので加奈子は鍵を玄関まで届けるが、間違えて家の鍵を持ってきてしまう。
加奈子は不思議に思ったが、家に戻ると、弟が足を痛めていた。
目の前で事故に遭って巻き込まれたという。

あの時すぐにカギを渡していれば弟が事故に巻き込まれなかったのではないか、加奈子はそう思った。
加奈子は遺影に向かって、母に謝った。

物音がした。タンスの扉を開けてみると、紙類にまぎれて箱があった。
加奈子は開けてみる。
それは母の字で書かれていたノートだ。
2016年10月1日、娘が初めて作ったお弁当だと記されている。
娘には内緒で弁当屋にきて買って食べてくれていたのだ。

2018年12月23日。最後の日記もお弁当の感想だった。
「電話をしたけど出なかった。最近はすれ違いばかりだけど帰ってきたら久しぶりに話をしよう。きちんとこれからのことを一緒に考えて娘の気持ちに寄り添ってあげよう。お母さんはいつだって、あなたの味方」と記されていた。

庭先に母の霊が見えた。
加奈子がバイクのカギをそのまま渡していたら、弟はもっと大きな事故に遭っていたと気づいた加奈子。
母が私と弟を見守ってくれていた、それなのに全然気付かなかった加奈子は「お母さんごめんなさい、ありがとう」と声をかけると、母は微笑んで消えた。

加奈子が感じていた気配、それは夢をあきらめかけてくじけそうになっていた加奈子を心配し、励まそうとしていた母の思いだったのだ、と加奈子は思った。
加奈子は遺影に手を合わせて声をかけ、今日も懸命に働く。