松嶋菜々子 映画「祈りの幕が下りる時」!

2019年10月19日

松嶋菜々子の映画「祈りの幕が下りる時」です。

松嶋菜々子が物語の鍵を握る女優兼演出家の浅居博美を演じています。

浅居博美は、夢だった明治座で自身が演出を担当した「異聞・曽根崎心中」を上演することになり、演出家として花開きます。
そこには才能と血のにじむような努力がありました。
そんな彼女の悲しい過去が明らかになっていきます。

物語は、東京・葛飾区のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見されるところから始まります。
殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になります。

松宮をはじめとする警視庁捜査一課が捜査にあたりますが、2人の接点が全く見つからず難航します。
やがて、道子は学生時代の同級生である浅居博美を訪ねて上京したことが判明しますが、博美と睦夫にも接点がありません。

松宮は、近くで発見された焼死体との関連を疑います。
遺品を調べ、カレンダーに日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見します。

その事実を知った加賀は激しく動揺します。
それは家を出て孤独死した加賀の母につながっていました。

映画は、震災の起こる10年以上前の仙台を映します。
日本橋署の刑事加賀恭一郎はそこに住む宮本という女性から思わぬ一報を受けます。
それはこの地で亡くなった田島百合子が加賀の母親ではないかという知らせでした。

家出した百合子はこの地で宮本の経営するスナックで働き始めます。

過去を多く語らない百合子でしたが、店の看板となります。
やがて綿部という男性客と恋人関係になります。

仙台に駆け付けた加賀は百合子が自分の母親であることを確認し、遺品を全て引き取ります。
そして失踪してからの母親の人生を深く知ろうとします。

現代の東京が映ります。
小菅のアパートで滋賀県在住の40代女性・押谷道子の遺体が発見されます。

アパートの住人は越川睦夫と名乗る男性で、現在越川は消息不明となっています。
DNA検査で越川睦夫と焼死体で発見されたホームレスが同一人物であることが判明します。

遺体で発見された道子の住む滋賀県での捜査で、道子が中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねて上京したことがわかります。
博美は事件現場の近くにある明治座で「曾根崎心中」の上演中でした。

加賀は、小菅のアパートで見つかったカレンダーに月ごとに書き込まれた日本橋周辺にある橋の名前が、母の部屋に残されたカレンダーのメモと同じだと気がつきます。
二つのカレンダーの筆跡は一致します。
アパートの住人越川睦夫と母のかつての恋人綿部は同一人物でした。

博美は、母親が作った借金で父親とともに夜逃げ同然で地元を離れていました。
その後父親の忠雄は自ら命を絶ち、博美は施設で暮らしその後上京して女優から演出家の道に進みます。

博美は、
演出家の道を進み始めたころ殺陣の参考にしたいということで、剣道日本一の加賀を訪ねていました。

博美の過去を追っていく中で地元を離れてからも彼女を支えていた担任教師、苗村の存在を知ります。
越川そして綿部は苗村ではないかと推理しますが別人でした。

加賀は、日本橋周辺のカレンダーに書かれた橋の写真をかき集めます。
そこに博美の姿を見つけます。

捜査が進み、博美の過去と実際が違うことがわかります。

自殺した父親の忠雄についての情報も違っていました。
そして、忠雄と越川が同一人物である可能性が出てきました。
越川のDNAと博美のDNAを鑑定した結果、親子であることも判明します。

越川、田邊、浅居忠雄、そして原発で働いていた横山、4人は同一人物でした。

夜逃げをした博美と忠雄の親子は行き着いた先で原発で働く横山という人物と知り合います。
高級旅館に宿をとった忠雄を見て、父親が自殺することを考えていると感じた博美は不安に駆られます。

そんなとき横山が、小遣い稼ぎをしないかと博美のカラダを求めてきます。
一度はお金のためと覚悟を決めた博美ですが、やはり受け入れられず発作的に横山を刺し殺してしまいます。

後を追ってきた忠雄は全てを悟ると計画を立てます。
それは忠雄がこれからの横山として原発事業に関わりながら生きていくこと、一方で横山の遺体をつかって浅居忠雄の自殺を偽装することでした。

博美は地元に戻り施設を経て東京に出ます。
彼女を支えたのがかつての担任苗村でした。
二人の間には新たな命も授かりますが、女優としてこれからという博美は中絶手術を受けます。

原発作業員の横山として全国を転々としながら時折こっそりと会う生活をつづけた博美と忠雄、二人はそれで満足でした。

忠雄の口からは田邊として会っている加賀の母・百合子の存在も知らされていました。
このことが後に博美が加賀に会いに行く理由でした。

ところが、この親子の密会を苗村に知られてしまいます。
忠雄は自身の生存を知る人物が存在すること避けるために苗村を殺害します。

新たな罪を背負った親子は密会方法を変えることにします。
それが月ごとに日本橋周辺の橋で会うということでした。
これがカレンダーのメモの真相でした。

二人は密会に細心の注意を払うようになります。
しかし、二人の緊張がゆるむ瞬間が訪れます。

それが念願の博美演出の明治座公演でした。
明治座公演初日に駆け付けた忠雄。
夢をかなえた娘の姿に感激します。

その様子を博美のかつての同級生押谷道子に目撃されてしまいます。

死んだはずの博美の父を見た道子はこの秘密をもとに金銭を要求します。
忠雄は越川として暮らしていたアパートに道子を連れ行き、そこで道子を殺害します。

そして、自殺しようとする忠雄を博美が殺害します。
自殺への恐怖を語っていた忠雄を楽にしてあげます。

こうして全ての真実が明らかになります。

明治座公演千秋楽を迎えた日、加賀は博美のもとに向かいます。
公演が成功し微笑む博美が映ります。

祈りの幕が下りる時 Blu-ray通常版