綾瀬はるか 映画「奥様は取り扱い注意」!

2024年8月24日

綾瀬はるかの映画「奥様は取り扱い注意」です。

元特殊工作員だった過去を持つ専業主婦・伊佐山菜美と、実は現役の公安警察であり菜美を監視する優しい夫・伊佐山勇輝の二人は、桜井久実と裕司という名前に変えて、小さな地方都市・珠海市で新しい生活を始めていました。

実は半年前、ある出来事がきっかけで菜美は記憶喪失になっていました。
「過去なんて捨てて、あなたとの今を大事にして生きていく」
そう思いながら、ささやかな幸せを感じて毎日を暮らしていました。

裕司はこの海辺の街で、高校の数学教師をしています。
仕事帰りに商店街で久実の姿を見つけた裕司は声をかけ、ふたりで海辺を歩きます。

二人が新生活を送る珠海市は、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐって、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長をはじめとする開発推進派との間での争いが起きていました。

新エネルギー源開発の裏で、ロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを公安が突き止めます。

裕司は、久実をめぐって、
「公安の協力者にならなければあの女を殺せ」
と上司から指示されていました。

賛成派の筆頭は現市長の坂上洋子です。
坂上はメタンハイドレードの研究所を建設し、市を挙げてメタンハイドレード発掘に取り組もうと考えていました。

一方、反対派は「珠海の自然を守る会」で、発掘によって珠海の美しい自然が壊されるとして難色を示しています。

珠海市では次の市長選が間近に控えていました。
反対派は五十嵐晴夫を立候補させようとしています。

久実は記憶喪失ということもあり、この珠海の病院で若い女医・三枝礼子から2ヶ月に一度、カウンセリングを受けていました。

反対派の事務所に裕司と久実は招かれます。
事務所にいた矢部は裕司の勤務する高校の同僚の教師でした。
そして現市長の坂上が、矢部の別れた妻だったことがわかります。
二人はメタンハイドレードの件で意見が食い違って離婚になったそうです。

久実は事故の時に手伝ってくれた珠里を見つけ、お礼を言います。
久実と珠里が話をしていると、近くの神社で中学生らしき少年が高校生らしき少年に金をゆすられている現場を目撃します。
久実が止めに入り、珠里が高校生たちを追い払います。

久実の正義感が強いのを知り、珠里と久実は意気投合しました。
珠里は自分の経営する店『Change』に久実を連れて行きます。
久実は、珠里の店を手伝うことになります。

反対派の五十嵐と矢部は警察へ行き、反対派のメンバーが襲われていることを訴えます。
しかし警察は全く取り合ってくれません。
警察は調査会社とグルになっていました。

調査会社社長・横尾にグローバルマネーホールディングス社の社長・浅沼がデータの入ったドライブが見つかったかを催促します。
公安が嗅ぎまわっていると警告を受けた横尾の元には、ロシア諜報員のドラグノフが接近してきます。

久実は珠里の店で夜、働き始めます。

それと同じ時期に、反対派を襲うゴロツキたちが、黒ずくめのマスクをした女性に襲われて撃退されるという事件が起きます。

反対派への嫌がらせがやんだと矢部から聞いた裕司は、女子高校生たちが噂で黒いコスチュームに身を包んだ女性がチンピラたちを撃退しているということを知ります。

久実の姿を想像した裕司は、あせります。
けれど、黒いコスチュームの人物は珠里でした。
久実は珠里の店番を務めているだけでした。
珠里は矢部の教え子で、高校時代は空手部の強者でした。

珠里の店にやってきた矢部は、珠里に、五十嵐が立候補を断念したことを告げ、無茶はするなと気遣います。

その後、矢部を車で送って行って話をした裕司は、車中でさらなる背景を知ります。
行方不明になっている北原教授は、ロシアの調査船に乗り込んで調査をしていましたが、消息を絶ちました。
北原教授がロシア調査船の船内に隠したデータを坂上市長に見せれば、市長も目を覚まして計画を中止するだろうと、矢部は裕司に話します。

夜、帰宅する裕司の車を、ロシア人の工作員たちが取り囲みました。
工作員は「お前ひとりでドライブを持ってこい」と裕司を脅します。

カウンセリングを受ける久実のところへ、電話がかかります。
「お前の愛する者を殺す」というロシア語を聞いた久実は、平静を装います。

久実が記憶を取り戻したと知った三枝医師が、警報を鳴らします。
久実は部屋に駆け込んだ男性職員を次々に倒すと、その場を去ります。

ロシア船籍の調査船が出航することが決まり、船内でパーティーが開かれることになります。

坂上市長やその他、一般人の乗船も許可され、船では華やかな催しがなされます。
その裏で、裕司は北原教授が隠したドライブを回収しに向かいました。
船底の貨物室に入り込み、ドライブを見つけます。

ロシア諜報員たちは裕司を泳がしており、ドライブを回収した裕司を襲います。
そこへ久実が現れます。

久実は裕司に「戻っちゃった」と話し加勢します。
久実と裕司はロシア工作員と戦いつつ、夫婦喧嘩をします。

ふたりは互いに相手への不満を言いながら、自分たちを取り囲む工作員たちを倒していきます。
戦闘はエスカレートして手榴弾が使用され、パーティー会場にも爆音が響きます。

危険を感じた一般市民たちは、船から逃げ出しました。

戦いながら久実は「なりたかったのは、あなたの奥様。公安の協力者じゃない」と訴えます。

そこへ久実の宿敵であるドラグノフがやってきました。
久実はドラグノフと格納エレベーターに入り、頂上まで向かいます。

頂上でドラグノフと久実は激しい戦いを展開します。
ドラグノフはナイフを出して詰め寄り、久実は落下しそうになりますが、ドラグノフの首にしがみつき、全体重を首にかけて絞め、ドラグノフを気絶させます。

久実はドラグノフに銃を向けますが、撃ったのは神岡でした。
神岡は久実に「俺と一緒に来ないか」と声をかけます。
神岡は、複数の組織に情報を流す人物でした。
ロシアの組織に久実の情報を流しておびき寄せ、いっぽうで浅沼にも公安の情報を流すことで、自分に都合の良いように動かしていました。

神岡は久実を利用したと言って高笑いをしますが、そこへ公安のヘリコプターが飛来すると、神岡を取り囲みます。

公安は、久実を使って神岡をおびき寄せていたのでした。
公安の上官・池辺が部下に、神岡を捕縛するよう命じます。

神岡は池辺を銃で狙おうとしますが、久実がビー玉を投げて阻止しました。
ビー玉は、神岡が持っていたものでした。
神岡は取り押さえられますが、久実はその間に裕司を人質に取り、やぐらの隅に移動します。

「最後にひとつだけ教えて。今も私のことを愛してる?」と聞いた久実は、「愛してるなら、殺して」と言って銃を裕司に渡します。

裕司は「愛している」と答えると久実の胸を撃ち、銃弾は久実の胸を射抜きました。
久実は海に落ちていきます。

その場へやってきた池辺は、足元の久実の血液が本物であると確認し、裕司の肩をぽんと叩いて「よくやった」と声をかけ、撤収します。

グローバルマネーホールディングスの社長・浅沼は逮捕されました。
坂上市長は再選を果たしますが、メタンハイドレードの開発には反対すると意思表明します。

ポルトガルの海辺が見えるカフェで、久実は食事をしています。
胸には銃弾の傷跡が残っています。

対岸に追っ手の車がやってきたことを見てとった久実は、サングラスをかけると悠々と席を立ち、去っていきます。