堀北真希 舞台 嵐が丘 初日公演 キャサリンを熱演!

2024年6月25日

堀北真希主演の舞台「嵐が丘」です。

場所は日比谷の日生劇場です。
「嵐が丘」は、エミリー・ブロンテ原作の小説で、世界10大小説といわれます。

小説の舞台は、イギリス・ヨークシャ地方、
北の荒野、とても厳しい風土です。

生きるのに精一杯、そんな土地で、
キャサリンとヒースクリフの不滅の愛が描かれます。

今回、斬新な舞台装置でした。
自動で上下、左右に動きます。
嵐が丘の殺伐とした風景から舞台は始まります。

堀北真希は熱演でした。

髪型や化粧で、普段とはずいぶんイメージが違います。
これはこれで、妖艶な美しさです。

セリフもよく通り、さすが華のある女優です。
気の強いキャサリン役を見事に演じていました。
山本耕史もとても見栄えのする演技でした。
舞台の経験も長く、名俳優です。

ヒースクリフは、孤児でした。
ヒンドリーとキャサリンの父親に拾われ、
キャサリンとは兄妹同様に育てられます。

ヒースクリフは利発な子供、
そんなヒースクリフにキャサリンの兄のヒンドリーは嫉妬します。
父親の死後、ヒースクリフを下男の身分に落としてしまいます。

堀北真希は子役とならんで、登場します。
子役は演技、セリフは堀北真希の担当です。
面白い試みです。
普段着の薄い黄色がかった質素なドレスで現れます。

ある日、キャサリンとヒースクリフは隣のスラッシュクロス屋敷に行きます。
そこで、キャサリンが怪我をしてしまいます。
キャサリンは傷が癒えるまで、スラッシュクロス屋敷で暮らすことになります。
スラッシュクロス屋敷には、エドガー・リントンが居ました。

そしてクリスマスの日、キャサリンの傷が癒え、嵐が丘に帰ってきます。
真っ赤なドレスで嵐が丘に戻るキャサリンですが、すっかりレディーです。
エドガー・リントンとの結婚を家政婦のネリーに相談するキャサリンです。
どうして結婚したいのか、問いただすネリーです。

その話を聞いたヒースクリフは、絶望にかられ、嵐が丘の家を出ます。
ヒースクリフがいなくなったことで、
悲しみにくれるキャサリンの叫びで1幕は終わります。

2幕が始まりました。
スラッシュクロス屋敷のなかです。

青い美しいドレスで着飾ったキャサリンです。
貴婦人の趣です。

キャサリンはヒースクリフが出ていった3年後に
エドガーの求愛を受け入れ、結婚しています。
そこに、なんとヒースクリフがやってきます。

立派な服を着て、成功した姿を見せてくれます。
大喜びのキャサリンです。

ところが、
ヒースクリフの容貌に、エドガーの妹のイザベルが一目惚れしてしまいます。
イザベル役はソニンが演じます。
久しぶりに見ましたが、変わらぬ綺麗さでした。
今は、舞台を主に活躍しているようです。

ヒースクリフは妹のイザベルを利用します。
イザベルは駆け落ち同然で、ヒースクリフのもとに走ります。
一時の感情に走ってしまったイザベル、このあと過酷な運命が待っています。
イザベルの件で、キャサリンとヒースクリフは会えなくなります。
そして、キャサリンは病気になってしまいます。

病いに侵されるキャサリン、精神にも異常をきたしてきます。
白いネグリジェ姿で狂気を演じるキャサリンのはかない美しさです。
最後には、出産と引き換えに、命を落としてしまいます。

深く悲しみにくれるヒースクリフです。
キャサリンの死から、ヒースクリフも異常をきたし衰弱していきます。

もう、キャサリンの墓の隣に葬られることだけが望みとなります。
そしてそれは現実のものとなり、ヒースクリフは息を引き取ります。

残ったのは、
キャサリンの産み落とした娘と、ヒンドリーの息子、
二人はやがて愛し合うようになります。

そして物語は終わります。

エドガー、キャサリン、ヒースクリフ、3人の墓が丘の上に並びます。
その近くを通るものには亡霊が見えると噂され、近づくものはいなくなります。
死してなお、ふたりの悲劇の愛は続いていくかのようです。

劇の内容といえば、難しかった、というのが正直なところです。
爽快感や躍動感といった要素は少なく、
重苦しい、魂の叫びで満ちています。

キャサリンとヒースクリフの不滅の愛とは何だったのでしょうか。
堀北真希の演技は素晴らしく、
舞台女優もすっかり板についてきました。

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