沢尻エリカ 映画「猫は抱くもの」元アイドルを熱演!

2024年3月16日

沢尻エリカ出演の映画「猫は抱くもの」です。

田舎町の小さなスーパーが映ります。
劇場の舞台セットのような雰囲気です。

元アイドルの沙織(沢尻エリカ)は経歴を隠して、レジ係として働いていました。
芸能界で挫折し、誰も知らないこの町に逃げてきて、いつしか惰性で暮らすようになっていました。

心を許すのは、裏の倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーの良男だけ。
空き時間にそっと訪ねては、今日あった出来事や、気になる男性のこと、頭に描いた妄想などを話して聞かせます。

そんな沙織と触れ合い、良男はいつしか自分も人間で、彼女を守れるたった一人の恋人なのだと思い込んでしまいます。

ある日、スーパーで万引きをした女子高校生が捕まります。
保護者代わりにやってきたのは、叔父の後藤保です。

“ゴッホ”と呼ばれる売れない画家に、沙織はなぜか惹かれるものを感じます。

沙織は、心を許しかけていた年下の上司から手痛い裏切りにあいます。
良男を抱きしめ涙を流す沙織です。

その夜、良男は、満月に誘われるように外の世界に飛び出して、沙織のアパートへ走ります。
けれど夜道で足を滑らせ、暗い川へと落ちてしまいます。
流れ着いたのは個性豊かな猫たちが集う「ねこすて橋」でした。

良男はそこで、ゴッホの飼い猫だったキイロや、不思議な力を持つ長老猫と出会います。

良男を探す沙織のもとに東京のテレビ局から連絡が入ります。
かつて沙織が所属していたアイドルグループ「サニーズ」を、たった一日だけ再結成したいといオフ
ァーです。

出迎えたゴッホは沙織の姿を見て何かとりつかれたように絵筆を走らせます。

沙織が夢をかけたサニーズというアイドルグループ、
ヒットチャートTOP10に一度だけでランクインしたことがあります。
けれど、沙織はグループの中でも目立たないパートを受け持つメンバーでした。

沙織は東京に向かいます。
しかし番組での扱いに、沙織は今の自分の惨めさを感じてしまいます。

逃げるように地元に帰ってきた沙織がたどり着いたのはゴッホのアトリエでした。
沙織はゴッホにきちんと歌わせてもらえなかったことを話します。

それを聞いたゴッホはカラオケスナックに沙織を連れていきます。
沙織は「ロマンス交差点」のメインパートを、ゴッホは沙織のパートを歌うことなります。
ちょっとしか無い沙織のパートをゴッホが失敗すると沙織の思いが溢れます。

「自分はたったこれだけのパートを歌うためにどれほど練習したか分かる?」
ウイスキーをがぶ飲みしてゴッホに迫ります。

迫真の演技が続きます。
沙織は「絵画で食えなくて、援助してもらっているあんたに私の気持ちが分かるの?」
たたみかけます。

ゴッホは「分かる」と一言、
「プロデューサーと付き合って、アイドルに挫折して逃げるようにやってきた田舎のスーパーでレジ打ち」
沙織のせつない気持を代弁します。
沙織は号泣します。

その様子を見たゴッホは堰を切ったように猛然とデッサンを始めます。
ゴッホのデッサンが熱を帯びてくると沙織も全てをさらけ出します。
良男とキイロもその様子を窓から眺めます。
そして、ゴッホは沙織の肖像画を完成させます。

時がたち、沙織はかつての歌手仲間から横浜の結婚式場で歌う仕事に誘われます。
一からやり直そうと決めた沙織、澄み切った歌声が式場に響きます。

歌の仕事だけでは生活していけないと思った沙織は、アルバイト募集の張り紙がある喫茶店を見つけ、ドアを開けます。
そこには、ゴッホの姪そっくりの店員がいました。
彼女の後を追って店内の奥に進むとゴッホが描いた自分の絵が飾られていました。
そして映画は終わりとなります。

沢尻エリカの熱演が光る素敵な映画でした。