今田美桜 映画「わたしの幸せな結婚」!

今田美桜の映画「わたしの幸せな結婚」です。

ここは明治・大正時代の日本によく似た架空の和風世界。
この世界では古の昔より恐怖心から生まれた異形の存在「異形」が人々に災いをもたらしていました。

特殊な能力「異能」のひとつで未来を予知する「天啓の異能」を受け継ぐ一族が国を支配する「帝」となり、様々な異能を持つ家系の者たちと共に人々を災いから守り続けてきました。

そして、異能者の中で不遇な最期を迎え、成仏できなかった魂は「奥津城(おくつき)」なる場所に納められました。

しかしある時、奥津城に何者かが現れ、その魂を開放してしまいました。

斎森美世は異能の家系に生まれた女性ですが、なぜか異能の力を有していませんでした。
美世の母・澄美は美世が幼い時に亡くなり、父・真一は後妻として香乃子と再婚しました。

真一は香乃子との間に生まれた異母妹・香耶ばかりを可愛がり、美世は極悪非道な香乃子と香耶から奴隷のように虐げられて生きてきました。

ある日、美世は政略結婚として陸軍・特殊部隊の隊長・久堂清霞のもとへ嫁ぐことを命じられました。

清霞はかねてから冷酷無慈悲な人物との評判で、これまで数多くの婚約者候補が3日も持たずに逃げ出したということでした。

幼馴染で美世の数少ない理解者だった辰石幸次は何もできなかったことを詫びましたが、美世にとっては久堂家の方が今の環境よりもまだマシだと考えていました。

そして幸次もまた政略結婚として香耶と婚約させられていました。

久堂家に入った美世は、早速清霞から冷たい言葉を吐きかけられました。

この家では清霞が絶対的存在であり、「出ていけと言ったら出ていけ、死ねと言ったら死ね」と。
しかし、もはや帰る場所のない美世は仕方なく久堂家で過ごすしかありませんでした。

やがて美世は翌日から食事を作るようになり、久堂家の使用人・ゆり江とも親しくなっていきました。
ゆり江は美世と清霞の間柄を取り持ってくれ、美世は清霞が悪評通りの人物ではないことに気づいていきました。

清霞もまた美世のきめ細かな心遣いに触れ、少しずつふたりは互いに心を開き合うようになっていきます。

清霞は美世の実家である斎森家の内情について調べることにしました。

斎森家の内情は思ったよりも劣悪なものであり、美世の母・澄美は人の心に干渉する強力な異能を持つ薄刃家の出であることを知りました。

そんな折、清霞はよく軍に出入りする情報通で貿易商・鶴木家の御曹司である鶴木新を紹介されました。
新はなぜか謎のベールに包まれた薄刃家の異能について知っていました。
清霞は新に対して何か違和感を感じます。

美世は清霞の職場に弁当を持ってくるようになり、清霞は次第に部下たちに対しても心を開くようになっていきます。

清霞には直属の部下で右腕的存在の五道佳斗や剣術の達人である岡部秀太など個性豊かな部下たちがついていました。

そんなある日、ゆり江と共に街に出かけた美世は、ゆり江が傍を離れている間に偶然にも香耶や幸次と出くわしました。

香耶は美世に痛烈な憎まれ口を叩き、美世はトラウマから過呼吸を起こして倒れそうになりました。そんな美世を助けたのは突然現れた新でした。
新はすぐにいずこへと去っていきます。

一方、清霞は自ら斎森家に出向いて真一と対面し、美世と結婚する意志があることを伝え、美世に謝罪してほしいと要求しました。

真一は「少し考えさせてほしい」とだけ答えます。

美世は度々自分が香乃子と香耶から虐待を受ける悪夢にうなされていました。
そんな時、斎森家の元使用人であり美世の数少ない味方だった花が訪ねてきました。

美世は花に、自分が異能の力を持っていないがゆえに清霞の妻には相応しくないのだと心中を明かしました。

美世は清霞に自分には異能がないことを伝え、感謝の気持ちを示して久堂家を去ることにします。

しかし、清霞はそれでも一緒にいたいと引き留め、二人は改めて互いの気持ちを確認しあいました。

ある日、久堂家に呉服店「すずしま屋」の店主・桂子が訪ねてきました。
桂子は清霞から美世への贈り物として、かつて澄美が来ていたのとよく似た淡い桜色の着物や櫛などを持ってきてくれました。

桂子は男が女に櫛をあげるということは求婚の意味があると教え、美世は喜びました。
ところがその直後、美世は突然現れた者たちに拉致されて連行されていきました。

美世を連れ去ったのは真一と幸次の父・実の仕業でした。
斎森家に連れ戻された美世は香乃子と香耶から激しい折檻を受け、清霞と別れるよう脅されました。

しかし、美世は頑なに拒否します。

幸次から知らせを受けた清霞はすぐさま斎森家に駆けつけ、屋敷を異能の力で焼き払うと蔵に監禁されていた美世を助け出します。

それから5日後、久堂家に新が現れ、澄美は鶴木家の出であることを美世に伝えました。
美世は清霞と共に鶴木家に出向くと、出迎えた新は自分の本名は「薄刃新」であることを明かします。

新は美世の悪夢の原因は薄刃家の異能によるものであり、人の夢に入り込んで夢を操り精神を支配することができる異能「夢見の才」によるものだと話します。

美世は実は自分自身も知らなかった夢見の才の異能の持ち主であり、いつかは自らを滅ぼす程の力を持っていたのです。

新は同じ異能を持つ自分しか美世を救うことができないと告げ、美世を助けることができないと悟った清霞は彼女を残して去っていきました。

美世は新の祖父で澄美の父である鶴木家当主・義浪と引き合わせられました。
美世と新はいとこ同士であり、新は美世に自分と結婚してほしいと迫ります。

その頃、この国の最高権力者であり未来を予知する異能を持つ帝は重い病に臥せっていました。
帝は奥津城の魂が解放されたがためにこの国には災いが訪れると予言し、後継者である皇子・堯人に後を託しました。

堯人は幼馴染である清霞の身を案じ、清霞に使いを出しました。
程なくして帝は亡くなり、堯人は奥津城の魂を解放したのは帝の専属医師だった枢木忠則であることを知りました。

帝都は奥津城の魂による災いに襲われ、人々は次々と謎の病にかかって暴れだしました。

街に出向いた清霞の部下・望月東弥も病に感染し、そのまま軍に戻ったために軍の約半分も病に感染して暴れだすという事態に陥りました。

清霞は被害の拡大を抑えるため結界を張りましたが、結界内では異能を使うことができず、清霞の部隊は苦戦を強いられました。

病の拡大を食い止めるためには感染者を殺す以外方法はなく、清霞は断腸の思いで望月を斬り、感染した岡部や五道らと戦うことになりました。

清霞を助けたい美世は引き留める新を振り切り、軍へと急ぎます。

そして美世は遂に夢見の才を発動させて清霞の危機を救い、病に感染していた人々は元に戻りました。
そこに堯人が現れ、澄美は夢見の才を悪用せんと目論む者たちから美世を守るために異能を封印していたことを伝えました。

清霞と美世は家に帰り、清霞は改めて美世に結婚を申し込みました。
美世は笑顔で受け入れました。

その頃、行方をくらましていた枢木は面をつけた謎の人物に全てはつつがなく終わったことを報告します。
謎の人物は「迎えに行くよ、美世」と意味深な言葉を発します。