北川景子 映画「キネマの神様」!
北川景子 の映画「キネマの神様」です。
出版社に勤める円山歩の元に借金取りからの電話がかかってきました。
歩の父“ゴウ”こと郷直、御年80歳がギャンブルと酒で作った多額の借金であり、ゴウの妻で歩の母である淑子に内緒で借りた金でした。
歩は自分の有り金を渡し、借金取りを追い払い淑子と相談してギャンブル依存症の相談会に参加します。
そして、歩と淑子はゴウの通帳とキャッシュカードを没収し、ギャンブルを禁止にします。
居場所を失ったゴウは淑子がパートとして働いている映画館「テアトル銀幕」に向かい、経営者で旧友でもある“テラシン”こと寺山新太郎から今度リバイバル上映する予定のとある映画のフィルムチェック試写に誘われます。
映画をこよなく愛するゴウは週に3度「テアトル銀幕」に通い詰めており、いつもテラシンが空けてくれている特等席でテラシンが選んだ映画に見入っていました。
そんなゴウが思わず見入ったのは、かつての銀幕スター・桂園子が主演した1本の映画でした。
50年前に遡ります。
若き日のゴウは映画監督になることを夢見て松竹撮影所の門を叩いた映画青年でした。
ゴウは映写技師だった若き日のテラシンと酒を酌み交わし、いつか自分にしか撮れない映画を作ると息巻いていました。
テラシンもまた自らの映画館を持つという夢を抱いていました。
この頃のゴウは映画界の巨匠と名高い出水宏監督のもとで助監督として働き、当時の大スターだった桂園子に可愛がってもらっていました。
ゴウが当時の映画人たちと共によく入り浸っていたのは撮影所近くの食堂「ふな喜」でした。
園子もまた「ふな喜」の常連であり、出水監督は園子を前に自分が撮りたい映画の構想を自ら実演してみせ、ゴウはそれを紙に書き留めていきました。
「ふな喜」の看板娘は若かりし頃の淑子でした。
淑子はいつしかゴウに想いを寄せるようになっていたのですが、仕事と趣味のギャンブルに明け暮れるゴウはなかなか淑子の気持ちに気付くことはありませんでした。
そんなある日、伊豆半島でロケをすることになりました。
ゴウはテラシンと淑子も伊豆に誘い、オフの日は園子の運転する車でドライブを楽しみました。
そんななか、テラシンは思わず淑子に一目惚れしてしまいます。
テラシンから相談を受けたゴウはラブレターを書くことを勧めましたが、テラシンからラブレターを受け取った淑子は困惑してします。
この頃からゴウは自ら撮りたい映画の構想を練り始めていました。
ある雨の夜。
淑子はゴウに想いを打ち明け、テラシンへの断りの返事をゴウから伝えてほしいと頼んできました。
ゴウもまた淑子に想いを寄せており、二人は初めてキスを交わしました。
そしてそんなある日、ゴウの努力が遂に実を結ぼうとしていました。
ゴウが書き上げた脚本「キネマの神様」がゴウ自身の初監督作品として製作が決定したのです。
ところが、撮影開始当日になってゴウは極度の緊張からお腹を下してトイレに籠ってしまい、おまけにカメラアングルを巡ってカメラマンの森田と口論となり、その拍子に椅子から落ちて怪我をしてしまいました。
すっかり自信を失ったゴウは監督を降板し、映画も製作中止となりました。
松竹を去る決意をしたゴウはテラシンから淑子はどうするのかと詰め寄られ、思わず「お前に譲るよ」と言ってしまいました。
この言葉にテラシンは激怒、二人の友情にも亀裂が入ってしまいます。
ゴウは故郷に帰ることにし、淑子もゴウの後を追って食堂を去っていきました。
そして現代に戻ります。
すっかりお蔵入りになっていた「キネマの神様」の台本が見つかります。
歩の息子でゴウの孫である勇太はこの台本を見て感銘を受け、ゴウにこの台本を現代風にリメイクして映画賞に応募してみてはと持ちかけます。
最初は乗り気ではなかったゴウでしたが、一度は失いかけた映画への情熱と賞金100万円に興味を示して引き受けることにしました。
それからというもの、ゴウは勇太と共に脚本のリメイクに乗り出しました。
数日後、ゴウと勇太の書き上げた脚本が日本映画界の栄誉ある賞「木戸賞」を受賞しました。
ゴウはテラシンと喜びを分かち合い、「テアトル銀幕」で祝賀会を催しました。
元々体調の良くなかったゴウが病に倒れたのはそれから程なくしてのことでした。
木戸賞の授賞式には歩が代理で出席し、淑子と勇太は会場でそれを見守っていました。
歩はゴウが書いたスピーチを読み上げ、ゴウの家族への感謝の言葉に思わず涙を流しました。
病床のゴウは見舞いに訪れたテラシンに電話をつなげてもらい、授賞式の様子を聞きます。
体調が更に悪化したゴウは家族に頼んで「テアトル銀幕」に連れていってもらいます。
テラシンは新型コロナウイルス禍の影響を受けて「テアトル銀幕」を畳む決心をしていましたが、ゴウは賞金の一部をテラシンに渡して営業を続けるよう説得しました。
この日上映されていたのは園子の主演映画でした。
園子はスクリーンの向こうからゴウに語り掛け、これから撮影が始まるとばかりにゴウを導きました。
淑子と歩、勇太がスクリーンを見つめるなか、ゴウは静かに息を引き取ります。
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