多部未華子 舞台 尺には尺を シェークスピア劇 蜷川遺作に出演!

2019年8月15日

多部未華子 の話題です。

多部未華子の出演する舞台「尺には尺を」です。
場所は、彩の国さいたま芸術劇場、故蜷川幸雄ゆかりの劇場です。

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劇場への道には、さいたま芸術劇場のシェイクスピア公演ヒストリー、
歴代出演者の手形が飾られています。

劇場内には花が飾られ、華やかな雰囲気です。
主演の藤木直人と多部未華子あての花が並びます。

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席に着いてまず驚いたのは、
公演開始前なのに、
出演者がステージで準備しています。
こんな光景が見られる舞台は初めてです。

さて、舞台がスタートとなります。

多部未華子は修道女見習いのイザベラ、
藤木直人は公爵代理のアンジェラを演じます。

時は400年前、ウィーンを舞台としています。

国の権力者、
公爵ヴィンセンショーを辻萬長が演じています。

公爵は突然、全権をアンジェラに任せ旅にでかけます。
才能あふれるアンジェラ、
公爵代理として他にふさわしい者はいません。

さて、全権を任されたアンジェラは、
公爵のもとで規律の緩んだ政治を嫌い、
厳格に法律を執行するようになります。

当時、婚前交渉は大きな罪でした。
今とは随分違いますが、
キリスト教の教えが影響しています。
そして、クローディオが投獄され、死刑の判決を受けます。

クローディオは、結婚前に子供ができてしまいます。

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多部未華子は、クローディオの妹イザベラ、
修道院で、修道女見習いをしています。
美しく、利発な女性です。

兄が死刑になる、という知らせを聞いて、
アンジェラのもとに行き、必死に助命を嘆願します。

アンジェラにすがりつきお願いするイザベラの様子、
アンジェラも心を動かされます。

理路整然と話すイザベラにアンジェラは心を奪われます。

さて、謎の神父が登場します。
実は、公爵ヴィンセンショーが変装しています。

まるで、水戸黄門のような話ですが、
アンジェラがどのように権力を使うか、
見守るために旅に出た、というストーリーです。

多部未華子は、
清楚な白いドレスの修道女姿で登場します。
とても可愛く、天使のようなイメージです。

イザベラはアンジェラに抱きしめられ
兄を救いたいのであればと、体を要求されます。

辱めを受けるぐらいであれば、
兄には死んでもらう、
悲壮な決意をするイザベラです。

1幕が終わり、休憩をはさんで2幕が始まります。

農園に来た、公爵とイザベラ、
かつてのアンジェラの婚約者マリアナに会います。

持参金が足りず、結婚は破談になっています。
けれど、マリアナは、まだアンジェラを愛しています。

公爵の指示で、マリアナは、イザベラの代わりに
アンジェラに抱かれます。

イザベラの兄の死刑執行の命令が届きます。
兄の死刑執行は猶予されませんでした。

泣き悲しむイザベラです。

そんななか、
公爵が戻る知らせが、
アンジェラのもとに届きます。

屋敷に戻った公爵のもとに、イザベラが訴えに来ます。

けれど、イザベラは逆に、逮捕されてしまいます。
そして、黒幕の神父が連行されてきます。

なんとその神父は公爵です。
驚くアンジェラ、自分の罪を認めます。

どんでん返しの展開が続きます。

最後は、イザベラの兄が生きていたこともわかり、
ハッピーエンドで終わります。

アンジェラとマリアナは結婚式をあげます。

そして、公爵はイザベラに求婚します。
なんという軽いノリの結末でしょうか。

最後に、多部未華子が白いドレスに着替え、
白い鳩を飛ばします。
はっとするような美しい姿でした。

そして3度の挨拶、拍手が鳴り止みません。

なんともいえない味のある舞台でした。
どんどん惹きつけられていく、そんな感じです。

2016年5月25日(水)~ 6月11日(土)彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

さて、シェークスピア劇はこの後も続くようです。
蜷川幸雄の舞台にかける情熱は引き継がれていきます。

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