新垣結衣 映画「異国日記」!
新垣結衣の映画「異国日記」です。
中学3年生の田汲朝は、卒業式を間近に控えたある日、両親を交通事故で亡くしました。
事故のショックから抜け出せないまま参列した両親の葬儀の場で「涙も出さない、強い子だ」「可哀想に、これからどうするんだろう」「親戚中をたらい回しになるのでは?」など、親戚たちの心ない言葉が朝に突き刺さります。
その時、参列していた朝の叔母・高代槙生が公然と言い放ちました。
「あなたを愛せるかどうかはわからない。でも私は決してあなたをたらい回しにしない」
小説家の槙生は朝の母・美里の妹でしたが、美里と折り合いが悪く、長年疎遠状態でした。
ですが、朝に対する親戚の心ない言葉に腹を立て、彼女を自宅へ連れて帰りました。
次の日は朝の卒業式でした。いつも通りの笑顔で学校へ行った朝ですが、親友の楢えみりが朝の両親が交通事故で亡くなったことを先生に言い、先生がクラスの皆に言ったことを知りました。
先生は「いつも通りに過ごしてあげてね」と生徒に念をおしたつもりでしたが、朝は「そんなことは言わず、皆は本当に知らないままの方が“いつも通り”だったのに」と怒ります。
朝はそのまま学校を飛び出し、とうとう卒業式には出席しませんでした。
えみりから心配するLINEが届きますが、朝は開くことができません。
町を彷徨ってやっと槙生の家に戻ると、帰りが遅いのを心配した槙生が玄関先で待っていました。
卒業式に出なかったことを明かす朝。
なぜか理由がわからないままですが、槙生は黙って朝を家に入れ、ひっきりなしに届くえみりからのLINEに返事だけはするように言いました。
人見知りで片づけが苦手な槙生は、専業主婦で綺麗好きな母・美里と暮らしていた朝にとって会ったことのないタイプの大人であり、この一件以来、槙生はますます“変な人”になりました。
また高校生になったばかりの朝と、一人暮らしが長く昼夜なく執筆をしてきた槙生とでは、生活時間もかみ合いません。
ですが、深夜まで黙々と机に向かう槙生の真剣な横顔を見て、朝はなぜか心の安らぎを覚えます。
後日、両親の遺品整理のために槙生は朝を連れて朝の自宅へ行きました。
黙々と遺品を整理する二人ですが、ふとしたことで口論となってしまいます。
「私はお母さんのことを好きになってほしい」と言う朝に、槙生は「あの人への気持ちは、あの人が死んでも決して変わらない。大嫌いなの。これは誰にも変えられない」と答えます。
それでも、もしかしたら変わるかもと食い下がる朝の純粋さに、槙生の心の中で何かが動き出します。
交友関係の狭い槙生ですが、学生時代からの親友・醍醐奈々とはツーカーの仲でした。
ある日、醍醐が槙生の家に遊びにやってきます。
明るく気さくな醍醐に朝もすぐ心を許し、手作り餃子で女子会パーティーが始まりました。
朝にとっても槙生にとっても、お互いの意外な一面を知るよい機会となりました。
また、槙生の元彼・笠町の存在も知ることになります。
かつて恋人同士だったという二人の間には、今も親密な空気が流れており、恋愛経験のない朝は、大人の関係に興味津々です。
ある日、二人の様子を心配した槙生の母・京子が訪ねて来ました。
「大丈夫?」と気遣う京子に朝は「槙生は大丈夫だと思う」と言い、自分を守ってくれているような朝に槙生は戸惑います。
そんな二人の様子を見て安心した京子。
また彼女は帰り際、遺品として手元に届いた美里の日記を「朝ちゃんに渡そうかと思ったけど、あんたに渡すよ」と、こっそり槙生に渡しました。
日記を読もうとした槙生ですが、やはり読めません。
子どもの頃、文章を書いてばかりいる槙生のことを散々ばかにした美里のことを、槙生は今も許せないでいるのです。
そしてこの気持ちは、美里の子どもである朝には、決して分かってもらえないものだと思っています。
一方の朝は、新しく始まった高校生活を楽しんでいました。
高校で出会った友人たちとクラブ活動に励む中、中学からの親友・えみりは、何でも話し合える相手だと思っています。
ある日、えみりが朝を体育館に呼び出し「男子には興味がないから彼氏はいない、自分は女性と交際している」と告げました。
自分の知らない世界を持つえみりに驚く朝。
それからも、さまざまな友人たちと出会って、朝は確実に成長していきます。
そんな朝を、槙生は眩しい想いで見守っています。
槙生の家の表札もいつの間にか、「高代」から「高代/田汲」に変わっていました。
そんなある日、槙生が渡せずにいた美里の日記の存在を、朝に知られてしまいます。
取り乱した朝の心に、それまで押し殺してきた感情があふれ出し、彼女は泣き続けました。
そんな朝の肩を、槙生は黙って抱き寄せました。
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