有村架純 映画「フォルトゥナの瞳」!

有村架純の映画「フォルトゥナの瞳」です。

神木隆之介と有村架純がダブル主演したラブストーリー。
人の死が見える特殊な能力、“フォルトゥナの瞳”を持つ青年と、“死の運命”に導かれる女性との切ない恋を描きます。

自動車のコーティング工場で働く慎一郎はある日、電車の中で手が透けて見える男性を見掛けます。
最初は手品、もしくは見間違えだと思いますが、その後も体の色々な部分が透けた人を何人も見て、勘違いではないと確信します。

その後、慎一郎はほとんど透明人間のように服だけが浮いた男性を見掛け、正体を突き止めようと尾行します。
すると男性はバイクに轢かれ、息を引き取ると同時に姿を現します。

ようやく慎一郎は理解します。
体が透けて見える人は近いうちに死ぬ運命にある人で、より多くの部分が透けている人ほど死期が近づいていました。

慎一郎は怖くなって色々調べますが、この現象について何も分からず、忘れようと努めます。
しかし、工場を訪れる馴染みの客にも透けている人がいて、その死を経験します。

死ぬ人間が分かる、まるで神のような能力に慎一郎は翻弄されていきます。
かつて慎一郎は、同じ工場に勤める事務員の植松真理子に恋をしていました。

真理子もまた慎一郎のことを良く思っていて、二人は工場内では公認の仲になっていましたが、あと一歩を踏み出さずにその関係は終わります。

客で来ていた宇津井という若手社長が彼女にアプローチをかけ、二人は交際を始めたのです。
日に日に見た目も性格も明るくなる真理子でしたが、それは長く続きませんでした。

真理子は宇津井とうまくいかなくなり無断欠勤、そして挨拶もなく会社を辞めてしまいます。
その後、同僚から真理子がソープで働いているといわれ、慎一郎はそのソープに行きます。

そこに確かに真理子はいましたが、覚醒剤に手を出して呂律は回らず、慎一郎のことも覚えていませんでした。

慎一郎は同僚から金を無心されたり、嫌がらせをされることが度々ありました、金田はその筆頭でした。
預かった客の高級車を無断で使用したことが判明し、金田はクビを言い渡されます。
その時、慎一郎は社長の腕が透けていることに気が付きます。

金田による報復が原因かと考えた慎一郎はその日、遅くまで残って社長を観察します。
事前に分かっていた慎一郎は遠藤をかばい、怪我をするも遠藤の死の運命は去ります。

ある日、慎一郎は駅のホームで透けて見える男性を見つけ、声を掛けます。
するとベンチで隣り合っていた中年の男性が慎一郎に言います。
さっきの男が透けて見えているんじゃないか、と。
男性は黒川といい、内科医をしていました。
慎一郎と同じく、他人の死の運命が見えるといいます。

慎一郎は同じ瞳を持つ人が存在することに驚きますが、黒川は人の運命に関わるなと忠告します。
黒川もかつて慎一郎のように、誰かを救えると思い、何人もの運命を変えてきました。
ところが、助けた人が後に事件を起こし、別の人を殺害してしまいます。

彼はそう考え、患者が透けて見えても、異常がなければ特別な処置をしないと決めていました。
また、自分で自分の運命を見ることはできないといいます。

慎一郎は黒川との出会いを通じ、自分の持つ特別な瞳についてさらに悩むこととなります。

黒川との出会いが忘れられず、慎一郎は川崎市内の病院のホームページを片っ端から見て、黒川という名字の医師を見つけます。
ダメ元で病院に電話をかけて取り次いでもらうと、慎一郎が会った黒川その人でした。

二人は再会しますが、黒川の忠告は変わりません。
黒川がいうには、原理こそ分かりませんが、死ぬ運命にある人を助ける度に心臓や脳の血管が損傷を受けるのだといいます。

黒川もまた何人もの人を助けて自らが死に近づき、すでに血管に動脈瘤がいくつも発見され、いつ破裂してもおかしくない状態なのだといいます。
黒川は二人の持つ能力を『フォルトゥナの瞳』と呼びます。

ローマ神話に登場する、人間の運命が見える女神・フォルトゥナからつけた名前です。
女神には必要かもしれないが、人間には不要な能力だと黒川はいいます。

慎一郎は故障した携帯を直すために携帯ショップに行き、そこで販売員の桐生葵と出会います。
彼女の手は透けていました。

彼は思い切って葵を駅前のスタバに誘います。
すると意外にも葵はすんなり来てくれ、それで未来が変わったのか彼女の体はもう透けていませんでした。

後日、葵がお礼に慎一郎の工場まで来てくれます。
慎一郎が葵を誘ったあの日、彼女の通勤ルート付近にある工場が爆発し、そのまま帰っていたら巻き込まれて死んでいたかもしれません。

葵は、運命が見えるという慎一郎の言葉が本当かどうかは別にして、命を救ってくれた彼に感謝していました。

これまで女性経験のなかった慎一郎ですが、まっすぐで優しい葵に自然と惹かれていきます。
それは葵も同じで、お互いに何度か職場に会いに行き、そして慎一郎から告白して二人は付き合うことになります。

これまでにない幸福感に包まれる慎一郎ですが、葵と付き合うことになった日の帰りの電車で違和感を覚えます。
電車内や駅の中に透けて見える人が何人もいるのです。

最初は偶然かと思いましたが、それは翌日以降も続き、慎一郎の脳裏には『災害』という言葉が浮かびます。

透け具合からいってそれが起こるのは三週間後の年末頃です。
これまでであればみんなを助けたいと思うところですが、今の慎一郎には葵という愛すべき人がいます。

彼女の命を救うことを優先し、年末から年始にかけて、一週間に渡って遠方に旅行に行かないかと提案します。
慎一郎は、透けて見える人は駅や電車内に集中していることに気が付き、電車の事故だと判断。

それに巻き込まれないくらい遠くに逃げるという算段です。
唐突な提案に怪訝そうな葵ですが、て了承してくれます。

一方、慎一郎は胸の痛みが強まっているのを感じ、病院を受診します。
診断結果は『狭心症』でした。

黒川の言う通り、他人の運命を変えた代償に、慎一郎は確実に死に近づいていたのです。
もし電車の事故を防いで多くの人の命を助ければ、まず慎一郎は死ぬでしょう。

彼は葵のことを一番に思い、多くの人の死から目をそらすのでした。
しかし、それでも諦めることが出来ず、死なずに事故を防ぐために黒川に連絡をとります。

ところが、黒川は脳内出血で亡くなっていました。
慎一郎は悟ります。

黒川は誰かの死の運命を変え、その代償として死んでしまったのだと。
慎一郎はますます葵との時間を大切にすることを決め、ついに彼女と一つになります。

これ以上ないほどの幸せを手に入れ、葵に愛してると伝え、慎一郎は決心します。

事故を起こす電車が通過を予定している線路に入ると、自転車のワイヤーロックで自分の体と線路を固定し、発炎筒に火をつけます。
事故は回避されます。

安堵した瞬間、左胸にこれまで感じたことのない痛みを感じ、慎一郎はそのまま死に至ります。