吉高由里子 映画「横道世之介」!

2023年12月2日

吉高由里子の映画「横道世之介」です。

1980年代、バブル期の東京。
長崎県出身の横道世之介は、法政大学経営学部に進学するため東京へと出てきます。
大荷物を抱えて新宿駅に降り立った世之介は、賑やかな街の様子を眺めながら下宿先のアパートへ向かいます。

世之介のアパートは、目の前に畑が広がるのどかな場所にあり、部屋にはまだ何もありません。
隣の部屋からは目覚まし時計の音が鳴り続けており、その隣の部屋で暮らす女性は、住人は死んでいるのではないかと話します。

大学の入学式で、世之介は隣に座る倉持一平から声をかけられます。
第一志望の早稲田に落ちた一平は、自分はこんなもんじゃないと思っていました。

大学の教室で書類を書いていると、隣に座る阿久津唯が声をかけてきます。
唯は張り切ってつけまつげをしており、世之介は目元のメイクを褒めます。

そのまま一緒にサークル回りをしていた2人は、一平と出会います。
一平はメイクをからかい、唯を泣かしてしまいます。
そんな3人を、賑やかなサンバサークルの面々が取り囲みます。

世之介は同郷の小沢と、従兄弟の清志兄さんの下宿を訪ねます。
清志兄さんは小説家を目指して退廃的な日々を送っており、小沢はマスコミ研究会に入っていました。
清志兄さんは“若いうちはとにかく踊れ”と世之介にアドバイスして、怪しげな踊りを披露します。

世之介は、一平や唯とともに、成り行きでサンバサークルに入り、清里の合宿でサンバの特訓を受けます。
風呂で汗を流している時、一平は唯と付き合っていることを世之介に告白します。

それから十数年後、その後結婚した一平と唯は、中学生になる娘の彼氏ことで悩んでいました。
しかし、ふと世之介のことを思い出し、何となく笑い出してしまいます。

サークルの先輩の紹介で、世之介はホテルでアルバイトを始めます。
業界人かぶれになった小沢を通して、片瀬千春というきれいな女性と知り合った世之介は、大人の雰囲気を漂わせる千春に一目惚れします。

世之介は千春の話を聞いてもらいたくて、教室で初対面の加藤雄介に声をかけます。
クールな加藤と素直な世之介は友達になり、2人は一緒に教習所へ通い始めます。
加藤は睦美から誘われたダブルデートに、世之介を誘います。

デートの日。
睦美は、幼馴染の与謝野祥子というすごいお嬢様を誘っていました。
祥子は世之介の話を異様に面白がり、天真爛漫に笑い転げます。

すっかり世之介を気に入った祥子は、夏休みの帰省時に、一緒に長崎へ行きたいと言い出します。
世之介は戸惑いつつも、それを了解してしまいます。

帰省する前の晩、世之介は加藤のマンションに泊まっていました。
散歩に出た加藤は、世之介に自分がゲイであることを打ち明けます。

しかし世之介は普通にその話を聞き、加藤への態度を変えません。
それから十数年後、ゲイのパートナーと暮らしている加藤は、世之介のことを思い出して爆笑します。
みんな世之介のことを思い出すと、なぜか笑顔になるのでした。

世之介が長崎の実家へ帰省すると、すでに祥子が到着していました。
明るい祥子は両親ともすぐに打ち解け、晩御飯を食べた後、ホテルへ帰っていきます。
世之介は、両親に祥子と結婚するのかと聞かれ、ただの友達だと説明します。

翌日は祥子を連れ、地元の友達と海水浴へ行きます。
その夜、2人は夜の砂浜でいい雰囲気になります。
世之介は断りを入れてから祥子にキスしようとしますが、砂浜にベトナム難民が漂着してそれどころではなくなります。

祥子と世之介は、衰弱したベトナム難民の母親から赤ちゃんを預かりますが、結局母親も赤ちゃんも警察に連れて行かれます。
2人は自分たちの無力さを感じます。

東京へ帰った世之介は、何となく憂鬱な日々を過ごしていました。
ある晩、突然祥子が訪ねて来て、あの赤ちゃんが無事だったと報告します。

あれから祥子はあちこちへ問い合わせ、赤ちゃんの消息を調べていました。
再び2人がいい雰囲気になったところで、母親から電話があり、世之介は祖母の訃報を知ります。

祖母の葬儀の後、世之介の実家に元彼女のさくらがお参りに来ます。
世之介は祖母の葬儀でみんなが泣くのを見て、自分が死んでもあんな風にみんなは泣いてくれるのかと考えていました。
さくらは、“世之介のことを思い出したら、みんな笑う”と答えます。

それから十数年後。ラジオのDJになっていた千春は、ニュースを読み上げます。
それは駅のホームに転落した女性を助けようとした韓国人留学生とカメラマンの横道世之介35歳が、電車に轢かれて死亡したというニュースでした。

唯が妊娠し、一平は大学を辞めて就職します。
世之介は一平に金を貸してやり、新居への引越しも手伝います。
引越し先のアパートで、一平は泣きながら“とにかく頑張ってみる”と繰り返しつぶやき、世之介への感謝の気持ちを口にします。

祥子の実家へ呼ばれた世之介は、祥子の両親と対面します。
強面の父親にも認められたようで、世之介は改めて祥子に告白します。
祥子は恥ずかしがってカーテンに隠れてしまいますが、2人は晴れて付き合うことになります。

クリスマス。世之介と祥子は、世之介のアパートでクリスマスを祝います。
いつの間にか外は雪になっており、2人は外へ出て、はしゃぎ回ります。
そしてぎこちないキスをします。

スキーへ行った祥子は、足を骨折して入院します。
お見舞いに駆けつけた世之介に、祥子はお互いを呼び捨てにしようと提案します。

何度も“世之介・祥子”と嬉しそうに呼び合う初々しい2人を見て、お付きのお手伝いさんは涙を流します。

それから十数年後。祥子宛に世之介の母親から手紙が届きます。
その中には、世之介が撮った写真が同封されていました。

それは、隣人のカメラマンの影響で、写真を始めた世之介が、1番最初に祥子に見せると約束していた写真でした。
世之介は律儀にその約束を守り、写真を梱包して、押入れの奥に隠していました。

あれからフランスへ留学した祥子は、約束の写真を初めて見ます。
世之介らしい素朴な写真を見ながら、祥子は昔のことを思い出します。

母親は手紙に“世之介と出会えたことが幸せ”と綴っていました。
大人の女性へと成長した祥子は、タクシーから見える風景の中に、あの頃の2人の姿を見ます。
祥子は涙ぐみながら、世之介のことを思い出して微笑みます。