広瀬すず 映画『水は海に向かって流れる』!

2023年12月24日

広瀬すずの映画「水は海に向かって流れる」です。

熊沢直達は、通っている高校から近いという理由で叔父の家に居候することになります。
ある雨の夜、最寄駅に着いた直達を迎えに来たのは年上の女性・榊千紗でした。
そして案内されたのは入口に大きなトーテムポールが立っている古い一軒家でした。

不愛想な千紗は高価な牛肉を惜しげもなく使った牛丼を直達に振る舞ってくれました。
「叔父さんの彼女?』と質問する直達に千紗は「ちがいます」と即答し、そこへやってきたひとりの男性に直達を「ニゲミチ先生の甥っ子」と紹介します。

ここはシェアハウスで住人は直達を含めると5人だと千紗は説明し、ニゲミチ先生はいま原稿〆切前の追い込み作業中だといいます。
家族に内緒で漫画家になった叔父の茂道はそのことを黙っているよう直達に念を押し、作業を手伝わせます。

翌朝、登校中の直達は川原で捨て猫を見つけ、飼い主を見つけるべく写真を撮って学校に向かいます。

学校でクラスメイトに猫の写真を見せますが、引き取り手は見つかりません。
すると密かに人気のある美少女・泉谷楓が猫のキーホルダーをつけていたので彼女に写真を見せると、飼い主を探すの手伝うと言って連絡先を交換してくれました。

放課後直達が川原に向かうと箱の中に猫の姿がありません。
少し離れた場所で女装した男が猫をいじめていたらしき中学生3人を怪しげな拳法のポーズで威嚇し、追い払っていました。

その女装男は昨日会ったシェアハウスの住人・泉谷颯で、楓の兄でした。
妹から連絡を受け、いち早く川原にやってきていました。

病院で検査をしたあとシェアハウスに猫を連れ帰った直達は、その晩猫の近くで眠りました。
翌朝、猫をなでながら笑顔になっている千紗を見た直達は、飛び起きて謝りました。

昨日朝会ったときに猫のことを話していれば、という直達に「怒ってもどうしようもないことばかりじゃないの」と千紗はぶっきらぼうに返します。

その日は直達の歓迎会および海外出張から帰ってくる大学教授・成瀬のおかえりパーティで、庭でバーベキューをすることになります。
楓も野菜を持ってやってきました。
仲の良いニゲミチと直達について颯が触れると、祖父の家で一年位一緒に暮らしていたからだとニゲミチは話します。

10年位前だったか、という言葉に千紗はピクッと反応し、成瀬はそれを見逃しませんでした。
なぜそうなったのか覚えていないニゲミチは、颯と飲んで盛り上がっています。
気分の悪くなった成瀬を介抱する千紗に「何かあった?」と成瀬がたずねると、「あの子、熊沢の息子」とポツリと答えます。

10年ほど前、千紗の母は直達の父とW不倫をして駆け落ちしその後破局していました。
千紗の母はそのまま帰ってきませんでした。
追い出せば?という成瀬に「あの子はいい子だよ」と言う千紗。
その会話を直達と楓は物陰で聞いてしまいました。

直達を心配した楓は学校で「なんでも相談のるよ。秘密は守る」と声をかけます。

ニゲミチの部屋を訪れた直達は「おじさんは知ってたの?」とたずねますがなんのことかわからない様子です。
すると千紗がやってきて、直達を迎えに行くときに渡された写真入りの年賀状を返しに来た、といってそれを置いていきました。

直達が家に電話して「今日はそっちに泊まる」と告げると、お父さんとすれ違いだねと答える母。
父があいさつにやってくるというのです。
あわてて駅からシェアハウスに戻る直達。
既に父は到着し、千紗と対面していました。
ちょうど遊びに来ていた楓が「榊さーん」と千紗を呼び、熊沢は千紗がかつて愛した人の娘であることに気づきます。

熊沢の発言にキレた千紗は持っていたお盆を投げつけそのまま家を出ていきました。
熊沢は鼻血をボタボタと流し、駆けつけたニゲミチを慌てさせます。

走って戻ってきた直達とその日は家に帰り、直達の母は転んだという夫の傷の手当をします。
部屋でアルバムを見ていた直達は母に「あのころは楽しかったんだよね、子どもだったから」と言います。

シェアハウスでは、パチンコから戻ってきた千紗にニゲミチが「ケガさせたの、榊さん?」と聞きますが千紗は認めません。

翌日、母の目を盗み父が「何か言いたいことない?」と言ってきたので直達はお金を無心します。
その金で大量の卵を買ってシェアハウスに戻ってきた直達は、みんなで食べられるものがいいと思って、と言って卵を千紗に渡します。

そしてバーベキューの日に話しているのを聞いてしまったと告白し、「何も知らなかったことにしときんしゃい」という千紗に対し「ぼくはそんなのイヤです。半分持ちたいです」と宣言するのでした。

中華料理屋で千紗と直達はニゲミチに事の次第を説明します。
千紗が「年賀状の写真で気づいた」と言いニゲミチは落ち込みます。
でも千紗は、何もなかったことにして今まで通り暮らしたい、と言ってお金を置いて帰っていきます。

あとを追った直達に千紗は、母が不倫してたなんて恥ずかしいと話し、直達は何もできない自分が恥ずかしいと答えます。

心配してくれた楓に一応問題は解決したと話す直達。
楓は〝ふたりの秘密〟がなくなってちょっと残念そうです。

直達の自宅では、父親が今は使っていないガラケーを引っ張り出し〝榊紗苗〟に連絡しようとしていました。
それを見つけ逆上した妻がACアダプターを振り回して自らの頭に当たり入院する騒ぎとなってしまいます。

駆けつけた直達に明るく振る舞う母。
父は直達に経緯を話し、千紗に罪ほろぼしがしたかった、ちょっとでも自分のことをちゃんとした人間だと思いたかったと弁明するのでした。

帰り道、千紗と偶然いっしょになった直達は「オレも恋愛しません!」と宣言し千紗にあきれられます。
翌朝、大量のゆでたまごを食べながら千紗は直達に「君のために言ってるんじゃない。君のこと好きになる女の子のために言ってるの!」と前言撤回するよう諫めます。

朝の教室で直達は楓に「オレも恋愛しないことにした」と言い、楓は「いいね…いいと思う」としか言えませんでした。
楓は部活中に学校を飛び出しシェアハウスにやってきます。

そして千紗に、恋愛しないという発言を撤回するよう求めますが、「自分の恋愛がうまくいかないことを人にせいにする女にはなるな」とつき離されてしまいます。
楓が帰ったあと、座り込んでしまった千紗の姿を家の中からニゲミチと猫が見つめていました。

その後、ニゲミチが焼いた餃子を直達が千紗の部屋に運んできます。
楓ちゃんにひどいこと言った、あやまっといてほしいという千紗。

次の日、お昼の時間に楓に呼び出された直達はふたりきりでお弁当を食べます。
そして楓に告白される直達です。

驚きを隠せない直達は放課後川原で考え事をしています。
そこへやってきた千紗。
彼女は「安心してリア充におなり」と笑います。
そんな千紗と中華料理屋に行った直達は、上機嫌で酔っ払った千紗と帰りながら彼女の過去の話を聞いています。
「あなたにも好きな人ができたらわかる」と言って出ていった母を許せず、だったら一生恋愛しないと誓ったというのです。

直達の父が探偵事務所に依頼した榊紗苗の調査報告書がシェアハウスに届きました。
「なんであの男の罪悪感を軽くするために私が会いに行かなきゃなんないの?」とイラ立つ千紗にじゃあ自分が行くと言う直達。

そして結局父には告げずにふたりで会いに行くことにしました。

そんなとき、直達の父がシェアハウスの近くまでやってきていました。
橋の上で、トーテムポールのある家を探している男性に声をかけられ案内する熊沢。
実はその男性は千紗の父・榊謹悟で、友人である成瀬をたずねてきたのです。
田舎で農業を営んでいる榊は持ってきたみかんを熊沢に差し出します。
その様子を家の中から見ていた成瀬、ニゲミチ、泉谷は気が気ではありませんでした。

一方千紗と直達は、ピアノ教室を営む大きな一軒家にたどり着きます。
子どももいるらしいその様子を見て千紗はもう帰ろうと言いますが、ちょうど帰ってきた母・紗苗に見つかってしまいます。
室内に案内された千紗は恨み言をぶつけ、紗苗は「ごめんなさい」と謝ります。
それでも千紗の気持ちはおさまらず、謝ってほしくてきたのでは?という紗苗を困惑させます。

紗苗は涙を流し、ちょうど帰ってきた幼稚園児位の娘が母をいじめていると思い、物を投げつけてきました。
退散したふたりが道を歩いていると、千紗の父から電話がかかってきます。
父に母とのことをたずねると、怒っていたというよりビックリしたと答え、「つらい思いをさせたな」と謝ってきました。

電話のあと、ちょっと豪華な食事でもしようとレストランに入ったふたり。
するとあとから紗苗たち家族が食事をしに入ってきました。
はしゃぐ子どもの声にいたたまれなくなったふたりは席を立ちます。
気になって追ってきた紗苗に対し直達はお金を要求し、渡された現金をその場で募金箱に入れました。

先に出ていた千紗にそのことを話すと、千紗はバスが終わって帰れないと直達に告げます。
仕方なく旅館に泊まったふたりは持ち帰ってきた料理を食べ、千紗はビールを飲みます。
千紗の怒りはずっとオレが覚えてる、という直達に対し千紗は、男の方が寿命短いらしいよ、と笑います。
それでも「約束だよ」と言って眠るのでした。

翌朝、直達が目を覚ますと千紗の姿がありません。
彼女はブーツを脱いで砂浜にいました。
直達が近づくと水をかけてきた千紗。
ふたりは子どものようにはしゃいで水をかけあいます。

千紗はシェアハウスからの引っ越しの際中。授業中にそのことを知らされた直達は学校を飛び出して家へと向かいます。
その途中、段ボール箱を持って川の向こう岸を歩く千紗の姿が見えました。
川まで下りて同じ方向に歩く直達ですが、声をかけることはできません。

橋まできてようやく千紗に近づけた直達は、あの約束は忘れないし自分は絶対変わらないと言います。

そんな直達に千紗は「自由でいいんだよ」と微笑みます。
突然雨が降り出し、千紗は持っていた段ボール箱を掲げて直達とかぶります。

恋愛はいつか終わる、あの約束は終わらせたくない…という千紗。
直達は「終わらないです。終わらせないです」といい千紗への思いを口にしますが、彼女の答えは「バッカじゃないの」でした。