沢尻エリカ 映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」!

2024年3月16日

沢尻エリカが映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」に出演しています。

主演に小栗旬。
そして、彼を取り巻く3人のヒロインに、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみと、豪華スターたちが一堂に集結しています。
蜷川実花監督が極彩色の映像美で放った話題作です。

昭和21年。妻の美知子や子どもがありながら、別の女性たちとの恋の噂が絶えない放蕩無頼の人気作家・太宰治。
当時流行作家として知られるようになった彼は、酒と薬物、そして女に溺れる日々を過ごしていました。
創作に行き詰まっていた太宰はとある女と知り合います。
太田静子です。
沢尻エリカが演じています。

彼女は戦後のまだくすんだ色ばかりの世の中にあって、まるで花が咲いたような桃色の存在でした。

着る服も、そして身の回りの調度品も、全てが鮮やかな色ばかり。
かつて幼くして失った子供の面影を探してか、聖母子像を部屋に飾っています。

豊かな黒髪は美しく波打ち、引いた紅は赤く、蠱惑的ですらありました。
静子は太宰に興味を持つとともに、自らも小説を書いて世の中に出るという野心を持っていました。

「人間は、恋と革命のために生まれてきたのだ」
見た目のたおやかさに反するその力強い言葉に魅了されてしまう太宰です。

静子と劇場でオペラを見ますが、その非日常の空間で、互いの心はたちまち燃え上がってしまいます。

人気のないロビーに出てきた二人。
赤いじゅうたんのらせん階段で、太宰は静子に囁きます。
「一緒に堕ちよう静子。死ぬ気で、恋する?」

太宰は彼女が持ちかけた題材をもとに作品を書き始めると、たちまち評判になり、連載は大成功します。
静子の日記をもとに書かれたのは「斜陽」という小説です。
没落華族の生活は庶民に大いに受け、浮き沈みの激しい文壇の中でも、太宰は一躍寵児として返り咲きます。

太宰の妻・美知子はかつて女学校の教師を務めるなど、当時としては知的な賢婦人として知られていました。
長女・園子、長男・正樹にも恵まれて一見穏やかに暮らしているようにも見えましたが、その家庭を切り盛りする彼女の心の中は修羅の世界でした。

母親の前で拗ねる少年のような太宰に呆れながらも、世話を焼く女房として奮闘する彼女の前に、やがて静子や、後にもう一人の愛人・富栄が現れます。

美知子が3人目の子供をお腹に宿している時に、太宰は静子にせがまれて関係を持ち、やがて静子は妊娠します。

太宰は「ヴィヨンの妻」という短編小説を出版し、そうした妻の在り方をまるで美徳のように書き連らねます。

静子には、彼女を慕い、そのために太宰に憤っている弟の薫がいました。
太宰の行状を知って忠告を重ねるものの、静子は聞く耳を持たないどころか、正妻の美知子を意識し、対抗しようとします。

薫はそんな姉の姿を胸を傷めながら見守っていました。
「愛されない妻よりも、ずっと恋される愛人でいたい」
そんな姉の希望を叶えてやろうと、身重の身を案じながらも太宰が飲んでいる店に連れて行きます。

その店で静子は、隣にいた富栄と二人でうどんを食べます。
富栄もまた太宰に魅せられていた一人でした。
彼女は夫を戦争で失った未亡人でした。

太宰からの強引なアプローチで押さえていたタガが弾けるように恋心を爆発させてしまった富栄は、次第に理性を欠いて彼に傾倒していきます。