吉高由里子 舞台 大逆走 言葉がブサイク!

2019年10月19日

吉高由里子の話題です。

吉高由里子出演の舞台、「大逆走」が、渋谷シアターコクーンで上演されました。
なんとも不思議な舞台でした。

主演は、5年ぶりに舞台出演となる北村一輝です。
作・演出は赤堀雅秋の書下ろし、
そして、本作で舞台初挑戦となる吉高­由里子など、
魅力的なキャストが集結しています。

北村一輝は土木作業員として働く五味を演じます。
その同僚の土木作業員が、
大倉孝二演じる八田、池田成志演じる真鍋、
三村和敬演じる新人作業員箱崎です。

秋山菜津子の演じる真鍋の妻、順子は、
臨月が近いのに「ハムレット」の稽古にいそしむ
エキセントリックな女優です。

五味たちのなじみのスナックのママが峯村リエ、
五味の別れた妻が濱田マリ、保険外交員です。

吉高由里子は佐久間という女性を演じます。
駅前で怪しげな募金活動をしています。
その集めた金を新人作業員、箱崎に盗まれることから大騒ぎが巻き起こります。

個性的な俳優陣が
それぞれの悩みや過去を背負いながら日常を重ねる姿が描かれていきます。
音楽は往年の懐かしい歌謡曲が並びます。

土木作業現場から劇はスタートします。
遠くからは祭囃子が聞こえてきます。

五味、八田、真鍋は弁当を食べながら、
新人の箱崎と話をしますが、かみ合わない会話に苛立ちます。

北村一輝が白いブリーフ1枚の姿で剣劇を披露します。
肉体美がまぶしいですが、いきなりの演出です。

そして、駅前では怪しげな男女が募金活動をしています。

吉高由里子演じる佐久間は拡声器を持ち、街行く人に訴えます。
猫ちゃん、ワンちゃんを助けるための募金活動です。
五味は、募金に協力します。

そして、夜、五味たちのなじみのスナックに舞台は移ります。
真鍋の妻、臨月近い順子が「アカシアの雨がやむとき」を熱唱します。
ハチャメチャな会話が続きます。

もう一組の客がいます。
佐久間と一緒に募金活動をしている59歳の男、大友です。
遅れて佐久間もスナックにやってきます。

ビールで乾杯する面々です。
佐久間は善意をくれた五味に感謝します。

なぜか新人作業員の箱崎が
募金箱を盗んで逃走してしまいます。
佐久間から中には600万円入っていたと言われ、
必死に探すことになります。

自動車に乗って、箱崎を探しに行きますが、
外を見ている佐久間の口から、「お**こ」という言葉が
いきなりでてきます。

暗闇で見えたそうです。
すいません、酔いがさめていないみたいで、
そんな言い訳がでます。

舞台の記者会見で吉高由里子から、
言葉がブサイクという発言がありましたが、
その中身がわかりました。
こんなきわどいセリフを言わされていたようです。

箱崎を探すなか、
五味の部屋までついてきた佐久間、
二人きりになります。

五味は、
素朴な質問だけど、お前はヤリマンか?

言っている意味がわかりません。
お前友達少ないだろう?
皆無です。

おっぱい何カップ?
したいんですか?

キスぐらいはとりあえずしよう、
男と女が部屋にふたりきり、しないと失礼だろう。

避妊さえしてくれれば、ご自由にどうぞ。
舞台ならではの、毒のあるセリフが続きます。

とりあえず抱きしめてやる、
そう言って、抱き合うふたりです。

五味の家庭の事情もわかってきます。
娘がいますが、離婚してずっと会っていません。

その娘が、学校に行くことができず、
駅のホームで一日を過ごしていることを知ります。

五味の娘、別れた女房、
それぞれが、こころの中を打ち明けます。

ここで、
佐久間がワイヤーに吊られて、空中で演技します。

箱崎も捕まえることができ、
募金箱は戻ってきます。

難しい舞台でした。
最後はよくわからないまま終わりとなりましたが、
なんとなく、すがすがしい気分でした。

吉高由里子は初舞台ということで、
緊張した様子もありましたが、
セリフもよく通り、とくに後半の演技は見ごたえがありました。
独特の雰囲気をもった素敵な女優として活躍を期待します。

リンネル 2015年 11 月号 [雑誌]