長澤まさみ 映画『嘘を愛する女』!

2024年2月15日

長澤まさみの映画『嘘を愛する女』です。 

映画は、2011年3月11日東日本大震災の場面からスタートします。
駅で倒れこむ女性が映ります。
小出桔平はその女性・川原由加利を助けます。

桔平を高橋一生、由加利を長澤まさみが演じています。

大震災で交通がマヒ、
会社に戻るという由加利に、桔平は自分の履いていた運動靴を提供します。

由加利は街で桔平と再開します。
そして2人は同棲を始めることになります。
幸せいっぱいの二人の様子が映ります。

収入が少なく家賃を負担できない代わりに、桔平は家事等を手伝うようになります。

由加利は大手飲料メーカーでキャリアウーマンとして第一線を走り、ウーマンオブイヤーにも選定された憧れの女性です。

由加利と桔平の同棲生活が5年目を迎えたある日、桔平がくも膜下出血で倒れてしまいます。

警察が彼の身分証などを確認したところ衝撃の事実が発覚します。
なんと身分証や職業はおろか、名前までもがこの世に存在しない「嘘」で固められていました。

眠り続ける桔平の本当の姿を知ろうと、由加利は探偵の海原に捜査を依頼します。

由加利は、貸しロッカーの中から、桔平が書いていた700ページにも及ぶ小説を見つけます。
桔平は喫茶店で小説を書き続けていました。
小説には、瀬戸内の故郷と幸せな家庭生活が綴られていました。

由加利は桔平の本当の姿を知るために、少ない手がかりをもとに、小説に書かれていた光景を調べに行きます。

瀬戸内のロウソクのような灯台に宝物を隠した、そんな記述を見つけます。
とある灯台の下に幼少の頃に隠したマジンガーZのフィギュア。
由加利は、桔平が倒れる直前にそのフィギュアを再び手に入れたいと言っていたのを思い出します。

由加利は瀬戸内に向けて旅立ちます。
やみくもに灯台をめぐりますが、手がかりはつかめません。

ある居酒屋で、桔平に似た男の情報を聞きます。
由加利は海原に再度依頼します。
海原は車を飛ばして瀬戸内の地にやってきます。

由加利は、灯台で小説に書いてあった宝箱を発見します。
その中にはマジンガーZのフィギュアが入っていました。

居酒屋でわかった造船所のトシという男性のもとを訪ねます。
人違いでしたが、トシは安田公平と間違われて警察が来たことがあるという情報を話してくれます。
そして、桔平の過去が明らかになります。

桔平の本当の名前は安田公平、優秀な外科医として働いていました。
仕事優先で、出張で家を空けることが多い生活でした。
妻は育児ノイローゼとなり、娘を溺死させてしまいます。
そして、車に飛び込み自らの命を絶ちます。

桔平は妻の気持ちをわかってやれなかったことを後悔し瀬戸内の町を離れます。
誰も知る人のいない場所で、深い悲しみと強い罪悪感をのもとでずっと暮らしてきました。

偶然、由加利と知り合い、愛し合うようになりますが、自分には幸せになる権利は無い、そんな葛藤で苦しみ続けます。

由加利は、桔平がかつて家族と共に暮らしていた家にたどり着きます。
その近隣の住民に「あんたは誰なんだ?」と聞かれます。
由加利は、「彼の妻です」、きっぱりと答えます。

すべてを受け入れ彼を愛す、由加利の決意のシーンです。

小説に書かれていた場所に家の鍵が隠されていました。
家のなかに入ります。
子供のおもちゃや家族の写真がそのままになっていました。

写真を見て、気付きます。
桔平の子供は、女の子でした。
小説では、男の子になっています。
由加利は、男の子がほしいと桔平と話した記憶が蘇ります。

そして、小説に登場する妻は、由加利と同じく、耳の後ろにほくろがあります。
桔平は、由加利とのかなわぬ幸せな生活を思い、小説を書き続けていました。

すべてを知り、由加利は、急ぎ東京に帰ります。
病院に駆けつけ、眠り続ける桔平に語りかけます。

やがて、春がやってきます。
桜並木を歩く由加利のやさしい表情が映ります。

病室には、マジンガーZのフィギュアが飾られています。

いつものように、由加利が話しかけると、桔平の指が動きます。
由加利の思いが通じた感動のラストシーンです。

嘘を愛する女 (徳間文庫) 文庫